成年後見制度を利用した事例
<事例1>
本人は、数年前から寝たきりで要介護5の認定を受けており、家族の話も理解できない状態でした。ある日、本人の土地が国の収用地になったため、国と売買契約を行うことになりましたが、本人に判断能力がなく契約できずにいました。そこで、本人の長男が後見開始の審判の申立を行い、成年後見人に選ばれた司法書士が、本人の代理人として国と契約を行いました。
<事例2>
本人は数年前に病気を患ったのをきっかけに認知症の症状が進み、判断能力が低下していました。
本人が住む建物の老朽化が激しかったため、本人が所有する自宅以外の土地を売却し、建物のリフォーム代と今後の生活費を捻出しようとしましたが、本人の状態では売買契約はできません。そのため、本人の代わりに契約を行うため、本人と一緒に生活していた二男が後見開始の審判の申し立てを行い、成年後見人には二男が選ばれました。
その後、成年後見人である二男は、本人の代理人として不動産売買契約を行いました。
<事例3>
本人は重度のうつ病を患っており、父親と二人暮らしでした。父親は自身の持病と高齢ということで、本人の将来を危惧していました。
そこで父親が後見開始の審判の申立を行い、司法書士が成年後見人に選ばれました。父親の死後一人暮らしになった本人ですが、親戚や市町村及び福祉関係の方々と連携しながら司法書士は本人の財産管理を行い、本人の生活をサポートしていきました。
<事例4>
本人は認知症を患っています。ある日、本人に借金があることがわかりましたが、家族が本人に聞いても何もわかりません。
そこで長男は、債務整理を行うため、後見開始の審判の申立を行いました。成年後見人には二男が選ばれ、二男が本人の代理人として債務整理手続きを行い、借金を返済しました。
<事例5>
本人は妻が死亡し一人暮らしでしたが、物忘れが多くなったため、施設で生活するようになりました。
本人には子がおらず親戚は県外にいるため、本人の財産管理や自宅の管理を行う人がいません。そこで、本人の姪が補助開始の審判申立を行い、あわせて財産管理がスムーズに行えるよう預貯金の管理などについての代理権付与の申立も行いました。
補助人には司法書士が選ばれ、司法書士が本人に変わって財産管理をしたり福祉サービスの契約等を行いました。