成年後見制度(4.法定後見制度の手続費用について)

法定後見制度の手続費用について

申立書作成費用:106,120円(税別・実費込み)~

内訳

報酬 実費 鑑定料
10万円~ 印紙代(※1)・・・800円
登記手数料・・・2,600円
連絡用の郵便切手(※2)・・・2,720円
その他
鑑定が実施される場合、5万円~10万円かかります(※3)

※1 保佐人に代理権を付与する場合、補助人に代理権や同意権を付与する場合は、それぞれにつき800円プラスされます。

※2 那覇家庭裁判所へ申立する場合の金額

※3 鑑定料は申立後に裁判所から交付される納付書で、申立人自身で裁判所に納付していただきます。なお、鑑定が必要かどうかは裁判所が判断し、すべての方に鑑定が行われるわけではありません。

成年後見制度(3.法定後見制度手続きの流れ)

法定後見制度手続きの流れ

申立準備

1.相 談
当事務所では、ご家族やご本人などから司法書士がお話を聞いた上で、成年後見制度利用の必要性の有無を判断します。なお、ご相談だけの場合には相談料が発生しますが、相談→申立に至ったお客様には相談料は発生しません。
2.主治医による診断書作成
主治医に診断書を作成してもらいます。なお、診断書様式は家庭裁判所へ提出する専用の診断書がございますので、必要に応じて相談時にお渡しします。
3.方針の決定
主治医が作成した診断書とお話を伺った内容を総合的に判断し、「後見」「保佐」「補助」のどの申立を行うか方針を決定します。
4.提出書類の収集
申立に必要な書類等を集めていただきます。
5.最終確認
申立書作成後、申立人・候補者の方に来所していただき、申立内容の確認をいただいた後、申立書に署名・押印いただきます。

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申立

(後見の場合)
事前に家庭裁判所へ日程の予約を行います。
聴取当日に申立書を持参し、申立人・後見人候補者が同席した上で家庭裁判所にて担当者から聞き取りが行われます。
(保佐・補助の場合)
申立書提出後、家庭裁判所から来所する日時の連絡があります。
当日に、申立人・保佐(補助)人候補者が同席した上で家庭裁判所にて担当者から聞き取りが行われます。

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鑑定

提出した診断書で判断能力が確認できない場合など、必要に応じて鑑定が行われることがあります(鑑定料は5万円から10万円)。
なお、鑑定を行うかどうかについては裁判所が判断し、全ての方に鑑定が行われるわけではありません。

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審判

審判の結果が、本人や成年後見人(保佐人・補助人)・申立人に通知されます。通知されてから2週間たつと審判が確定し、後見人の仕事が開始します。

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登記

審判が確定すると、法務局に登記されます。

※申立から審判が確定するまでに通常1ヶ月半から3ヶ月程度かかります。

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成年後見制度(2.成年後見制度を利用した事例)

成年後見制度を利用した事例

<事例1>

本人は、数年前から寝たきりで要介護5の認定を受けており、家族の話も理解できない状態でした。ある日、本人の土地が国の収用地になったため、国と売買契約を行うことになりましたが、本人に判断能力がなく契約できずにいました。そこで、本人の長男が後見開始の審判の申立を行い、成年後見人に選ばれた司法書士が、本人の代理人として国と契約を行いました。

<事例2>

本人は数年前に病気を患ったのをきっかけに認知症の症状が進み、判断能力が低下していました。
本人が住む建物の老朽化が激しかったため、本人が所有する自宅以外の土地を売却し、建物のリフォーム代と今後の生活費を捻出しようとしましたが、本人の状態では売買契約はできません。そのため、本人の代わりに契約を行うため、本人と一緒に生活していた二男が後見開始の審判の申し立てを行い、成年後見人には二男が選ばれました。
その後、成年後見人である二男は、本人の代理人として不動産売買契約を行いました。

<事例3>

本人は重度のうつ病を患っており、父親と二人暮らしでした。父親は自身の持病と高齢ということで、本人の将来を危惧していました。
そこで父親が後見開始の審判の申立を行い、司法書士が成年後見人に選ばれました。父親の死後一人暮らしになった本人ですが、親戚や市町村及び福祉関係の方々と連携しながら司法書士は本人の財産管理を行い、本人の生活をサポートしていきました。

<事例4>

本人は認知症を患っています。ある日、本人に借金があることがわかりましたが、家族が本人に聞いても何もわかりません。
そこで長男は、債務整理を行うため、後見開始の審判の申立を行いました。成年後見人には二男が選ばれ、二男が本人の代理人として債務整理手続きを行い、借金を返済しました。

<事例5>

本人は妻が死亡し一人暮らしでしたが、物忘れが多くなったため、施設で生活するようになりました。
本人には子がおらず親戚は県外にいるため、本人の財産管理や自宅の管理を行う人がいません。そこで、本人の姪が補助開始の審判申立を行い、あわせて財産管理がスムーズに行えるよう預貯金の管理などについての代理権付与の申立も行いました。
補助人には司法書士が選ばれ、司法書士が本人に変わって財産管理をしたり福祉サービスの契約等を行いました。

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